2006年08月 | 2006年9月 | 2006年10月
大 中 小 ※ピンク文字の公演に寛也は出演しておりません
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第54回舞踊華扇会 3日目
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第9回 巴の会
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八重洲座 女流義太夫の世界 Vol.8
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女流義太夫定期演奏会
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第54回舞踊華扇会 3日目
公演日程 2006年09月08日(金)
時間 一部:開演11:30〜
二部:開演14:30〜
演目内容 『花競四季寿』関寺小町
花柳衛彦、竹本朝重、鶴澤友路、ツレ:鶴澤寛也、他8番
会場 国立大劇場
TEL:03-3265-7411
料金 9,000円
お問い合わせ 国立劇場、報知新聞社
コメント 報知新聞主催の日本舞踊の会。花柳衛彦(もりひこ)先生は落語家の彦六(正蔵)師匠のご子息。朝重師匠とは古いおつきあいだそうです。実は衛彦先生の下落合のご自宅兼稽古場の一部はマンションになっていて、そこに新内枝幸太夫師の稽古場があり、寛也もジョイントの稽古のときなど伺っているのです。
後日談

ツレ弾きは最後のほうにちょっと入るだけですが、この演目自体、動きの少ない分内容が濃くて、舞踊家さんも神経を研ぎ澄ませて踊られますし、地方も特別な緊張感を持ってつとめます。もちろん待っている時も同じです。朝重友路コンビに鼓は堅田喜三久先生(国宝)の名演。

第9回 巴の会
公演日程 2006年09月16日(土)
時間 開演13:30〜
演目内容 お話
池田弘一(神田外語大学名誉教授・ミレニアムハウス館長)

『艶姿女舞衣』酒屋の段
竹本綾之助、鶴澤寛也、高音鶴澤津賀花

『心霊矢口の渡』頓兵衛内の段
竹本土佐恵、野澤喜恵博

『嫗山姥』廓噺の段
竹本土佐子、鶴澤津賀寿、鶴澤津賀花(ツレ)
会場 厚木市文化会館小ホール
TEL:046-225-2588
アクセス方法 小田急線本厚木:徒歩13分
料金 3,000円
お問い合わせ 義太夫協会
TEL:03-3541-5471・FAX:03-3546-2334
(月~金10時~17時・13時~14時休憩)
メール: [email protected]
コメント 綾之助・土佐恵・土佐子のお三人による会も9回を迎えますます充実です。今回は厚木っ子土佐子師匠のホームグラウンでの公演です。酒屋は「今頃は半七さんどこにどうしてござろうぞ」という通称・お園のクドキ(口説き)というところが有名で、オペラのアリアみたいな聞かせどころなのだけど、実は前半のおじいさん達のやり取りがすごく大切で難しい。

寛也は学生の頃客席で聴いてて「ここうっとうしいなぁ、なくてもいいのにー。早くお園にならないかなあ」なんて思ったり。ところが聴きこんでいき、また舞台で勤めるようになると、こここそが一番大事なんだということがわかってくるのです。あ、年齢を重ねるってこともあるかも。だから「退屈だしカットしたら?」っていわれてもちょっと困る。でもカットしてほしい気持もよーく分かるから余計こまっちゃう。かくも浄瑠璃とは奥が深く、聴けばきくほどおもしろさもぐーんとます訳です。

が、まずは演奏会そのものに足を運んでいただけるような工夫がもっともっと必要。こういうことをいうと、まずは芸を磨いてから・という声が・・・。自分が3人いたら、1人はとにかく修行・1人は普及活動・1人はプロデュース、ってできるのになあ。
後日談

お天気もよく演奏会日和。池田先生は30分のお話で、中味はみっしり2時間分くらいあるのでは?厚木の土佐子師匠のお弟子さんがたはじめ、東京からもかなりのお客様が。

酒屋はしっとり始まり、段切れはかなり激しく。頓兵衛内は江戸浄瑠璃でとても変化に富んでいておもしろく、ちょっと義太夫には珍しいテイストの曲。嫗山姥、前に踊りで津賀寿さんのツレに出してもらったことがあります。本とに弾きっ放しだし太夫さんも語りっぱなしで大変だけど、派手で楽しくとてもかっこよかったです。

八重洲座 女流義太夫の世界 Vol.8
公演日程 2006年09月23日(土)
時間 開演14:00〜15:30(終了予定)
演目内容 『壷坂観音霊験記』沢市内より山の段
竹本土佐子、竹本越孝、竹本越春、鶴澤寛也、ツレ:鶴澤駒清

トーク
水野悠子(女流義太夫研究家)× 金原瑞人(法政大学社会学部教授・翻訳家)
会場 八重洲ブックセンター本店 8階ギャラリー(座席数:120席)
料金 前売:1,890円 / 当日:2,400円
お問い合わせ 【チケット予約電話】
八重洲ブックセンター:03-3281-1830

【チケット予約メール】
八重洲ブックセンター: [email protected]
コメント 今回はお里・沢市の夫婦を掛合いで。夫婦のしっとりした情愛、険しい山道・激しく落ちる瀧の描写などをお楽しみいただき、義太夫には珍しいハッピーエンドで賑やかに八重洲座一周年を祝います。

どんなお話かというと・・・盲目の沢市が世をはかなんで谷へ飛び降ります。絶望した妻も後追い。が観音様のご利生で怪我がなかったばかりか、沢市の目が見えるようになった!というシュールな展開。でも寛也は以前新聞で、アメリカかどこかの話で、『転んだ拍子に目が見えるようになった』というのを読んだことがあり、「おお、壷坂や!」と思いました。だからって、一種のショック療法?なんて考えるとつまんない。やっぱり観音様のご利益でしょう。

会場の都合で今回が年内最終の公演となります。ぜひお運びを!生まれて初めて邦楽を聴くという方にも分かりやすく楽しいトークがあります。トーク目当ての人もいるらしい・・・。今回は土曜日(祝日)の午後です。お間違えなく~。
後日談

さわやかなお墓参り日和にもかかわらず、八重洲にお運びいただいた皆様、ありがとうございました。客席には、歌舞伎絵本などもお描きのO画伯・New直木賞作家で文楽ファンのMさんのお顔も。うれしくなってすごくはしゃいでしまい金原先生にたしなめられた寛也でした。

基本的に登場人物すべて1人で語る義太夫節ですが、今回は1人1役の『掛合い』で、お里(土佐子)沢市(越孝)観音さま(チラシにはなかったけど越春)。壷坂自体明治の作で、300年の義太夫の歴史からすると新曲の部です。そのため詞などもほぼ今と同じ(近世ではなく近代)で分かり易い上に掛け合いだったので、初めての方にも好評でした。

今回も沢市内・山の段のあいだに10分の解説を。「一気にやってもいいのではないか?」とか色々演ずるほうでは悩んだけれど、八重洲座版ということでやはり2分割。

そういえばO画伯が「女義では山科を1人で語ることはないのか?」とのご質問。皆で色々お答えしたのですが実は大きな落とし穴が!あとから何人かの方に「山科ってなあに?」と・・・。これは仮名手本忠臣蔵九段目・山科閑居段のこと。つまり質問そのものが分からなかったということで、ががーん。分かり易く親切に古典の敷居を低くがモットーの八重洲座でありながらとんだポカでした。失礼いたしました。

まあどの位説明が必要かは時間との兼ね合いもあり難しいところですが、これからも「楽しかった、また来ます!」とお世辞じゃなく言っていただけるようがんばりますので、ご意見などもばんばんお寄せくださいませ。

会場の都合で次回は4ヶ月後、1月下旬の予定です。その後はいまのとこ未定。うーむ・・・。

女流義太夫定期演奏会
公演日程 2006年09月26日(火)
時間 開演18:30〜
演目内容 『生写朝顔話』船別れの段
竹本綾一、鶴澤賀寿

『摂州合邦辻』合邦庵室の段
竹本朝重、鶴澤寛也

『増補大江山』戻り橋の段
竹本土佐恵、竹本越孝、野澤喜恵博、鶴澤駒清

☆ひとみ座乙女文楽特別出演!
会場 国立劇場演芸場
TEL:03-3265-7411
料金 2,500円(学生:1,500円)
お問い合わせ 義太夫協会
TEL:03-3541-5471・FAX:03-3546-2334
(月~金10時~17時・13時~14時休憩)
メール: [email protected]
コメント 大曲『合邦』。若い後妻が義理の息子に恋を仕掛けて、怒った自分の父親に刺し殺されてしまうのだけど、実はそれにはふかーいワケが隠されていたのです。「実はなになに」というじつに義太夫らしい展開、三味線も派手で音楽的にもおもしろいです。

男性のみが出演を許されている文楽(人形浄瑠璃)では大きな人形を3人で遣いますが、『ひょっこりひょうたん島』などで有名な人形劇団ひとみ座では、女性が人形を1人で遣う『乙女文楽』を、桐竹千恵子先生のご指導の下に継承なさっています。1人遣いでもこんなに繊細な動きができるのか・と驚かれることでしょう。

本公演より義太夫協会初の写真入チラシをお配りしてます。裏には解説もついてるよ!ピンクで可愛らしい。記念すべき第1号には寛也の写真も。
後日談

朝重師匠と合邦は2度目ですが今回もひいひいいいつつ弾かせて頂きました。

学生のころ越路・清治ペアの合邦に仰天したけど、もちろん清治師匠のように鮮やかに弾けるはずもなく・・・。玉手御前という人はとことん自分勝手だなあと思う。自分の血を最愛の人に飲ませる(ことで要するに一体化するってことでしょう?)為には手段を選ばない。そのために自分の父親が『娘殺し』となろうがどうしようがしったこっちゃないって感じ。

玉手の義理の息子への恋は本気か策略か?って昔から話題になるようですが、朝重師匠も寛也も断然本気のほうをとります。彼女はまだ19か20くらいですし、だいぶおじさまの旦那さまより年のちかい美青年の息子に惹かれてしまう・・・。

こういう狂乱血みどろ系の激しさは自分にはないので今一理解できない所もあるけれど、曲が派手で面白い手数がいっぱいついていて、弾いていると否が応でも気持が盛り上がってきます。音曲の不思議な力。乙女文楽さんもとてもすばらしかったです。スモークもうもうの大熱演。夕方ざあざあ降りになっちゃったのでお客さまが薄目でちょっと残念。