2007年04月 | 2007年5月 | 2007年06月
大 中 小 ※ピンク文字の公演に寛也は出演しておりません
第13回 長谷検校記念
全国くまもと邦楽コンクール
公演日程 2007年05月20日(日)
時間 開演19:00〜20:00(終了予定)
演目内容 刑部邸コンサート
コンクール最優秀賞、優秀賞受賞者演奏
ゲスト演奏:女流義太夫演奏会


>『野崎村(床本)-新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)-』
・浄瑠璃:竹本朝重
・三味線:鶴澤友路(重要無形文化財保持者)、鶴澤寛也(ツレ)
会場 熊本城内旧細川刑部邸
料金 2,000円
コメント 担当さんから「ご来熊お待ちしております」のメールを頂き、はじめての「ご来熊」なる言葉にちょっと驚く。でもそうですよねー熊本なんだから。熊本といえば馬刺しに焼酎?などとすっかりおぢさまモードの寛也ですが、はたしてお遊びのヒマがあるかどうか。

熊本は初めてで知人もいませんが、もし熊本の方これをご覧になったらぜひお運びくださいませ。素敵な武家屋敷での演奏だそうです。どうぞよろしく。
後日談

素晴しい風情の細川刑部邸での実に幻想的な演奏会。演者は武家屋敷の中、後ろには細川家のお宝屏風、お客様は日が落ちて暗くなった庭に椅子を並べて・・・。舞台音響照明もなかなか大がかりで、半屋外とはいえ本格的な演奏会、お客様は今まで一番多くて追加の椅子も間に合わず立ち見までだって。感激。

楽屋ももちろんお屋敷の中なので、なんと、照明がなーいー。電気式の行灯ひとつではちょっとさすがに無理だったので、大騒ぎしてスポットライトなど調達していただきました。昔の人になったみたいでちょっと楽しかった。さて懸案?の「馬刺し+焼酎」はチャンスがなく、でもオフに市電で市内散策(1日乗車券で端から端まで乗った。途中数回乗り降り、もとはとったかな、500円)の折に、お昼ごはんに馬刺しの盛り合わせ食べました。ものすごく美味で満足。けっこう高かったけど。

今回の大成功は、朝重友路人気もさることながら、市役所の文化振興課のみなさんはじめ、スタッフの方々の並々ならぬご苦労とやる気の賜物だったと思います。連絡を取ってくださっていたFさんはじめ皆様に至れり尽くせりのお世話になりました。ほんとに気持ちのよいお仕事でした。ありがとうございました。ひご丸、宣伝するね!

女流義太夫定期演奏会
公演日程 2007年05月22日(火)
時間 開演18:30〜
演目内容 『恋女房染分手綱』道中双六の段床本):
竹本土佐恵、竹本越孝、竹本佳之助、鶴澤寛也、鶴澤駒清(ツレ)

重の井子別れの段床本):
竹本駒之助、竹本綾之助、鶴澤津賀寿

>『双蝶々曲輪日記』引窓の段床本
竹本朝重、鶴澤友路
会場 国立劇場演芸場
TEL:03-3265-7411
料金 2,500円(学生:1,500円)
お問い合わせ 義太夫協会
TEL:03-3541-5471・FAX:03-3546-2334
(月~金10時~17時・13時~14時休憩)
メール: [email protected]
コメント 寛也は子別れの悲しみの前の、軽快な道中双六をつとめます。二重奏がものすごく音楽的に面白くて大好き。後半は京都から江戸への道中双六で遊ぶさまをそのまま浄瑠璃にしています。もちろん最後は「花のお江戸に着きにけり~♪」。

続く重の井子別れ、女性ならではの表現ができる曲の一つではないかと思います。駒之助・津賀寿のご存知師弟コンビに綾之助が息子の三吉役。また引窓を朝重・友路コンビでたっぷりと。お楽しみに!ご来場を心よりお待ち申し上げます。
後日談

たくさんのお客さま、ありがとうございました。予想外のご来場で床本やチラシなどが足りなくなってしまったそうで、たいへん申し訳ありませんでした。道中双六、調子(チューニング)が上がるので調子が狂わないよう気を使いますが、なんとかきっちり上がりツレともうまく合ってほっと。まあ、たまにはうまく行かぬこともありまして・・・。

ツレの駒清ちゃんがとってもキュートだったという感想メールが。重の井、母の武家階級故の悲しみ苦しさと、子の人間としての正直な気持ちの対比に、お客様も涙涙。国宝駒之助師×ベテランの綾之助師の豪華さよ。続く引窓、、熊本から引き続きのお疲れも見せないお2人の演奏に、またもやお客様が涙涙でした。

八重洲座女流義太夫の世界 Vol.10
チラシ 1 2  ※クリックすると大きく御覧いただけます。
公演日程 2007年05月26日(土)
時間 開演15:00〜16:30(終了予定)
演目内容 >『名曲さわり集』ーいいとこどりのお楽しみー
・浄瑠璃:竹本越孝
・三味線:鶴澤寛也
・ツレ弾:鶴澤駒清(チラシには載ってませんが野崎のツレに出てくれることに) 

>トーク:
水野悠子(女流義太夫研究家)× 金原瑞人(法政大学社会学部教授・翻訳家)
会場 八重洲ブックセンター本店 8階ギャラリー
料金 前売:2,000円 / 当日:2,500円
お問い合わせ ■寛也
■八重洲ブックセンター本店1階:レファレンスコーナー
■チケット予約電話 - 八重洲ブックセンター:03-3281-7797 
■チケット予約メール - 八重洲ブックセンター: [email protected]
コメント おかげさまで10回目!長いものだと一段(一曲)1時間以上もある義太夫の曲の中で、オペラのアリアのような、歌謡曲のサビのような有名な聞かせどころをピックアップしてお送りする予定。有名といっても今はほとんど知られてないので、おなじみ水野先生に曲の解説等お願いしてます。ふき出しちゃうようなエピソードもあるらしいよ・・・。

当日、床本(上演台本)お配りしますのでご安心下さいー!演目は、壺坂観音霊験記(沢市内の段)・傾城阿波の鳴門(十郎兵衛住家の段)・艶姿女舞衣(酒屋の段)・絵本太功記(尼ヶ崎の段)・新版歌祭文(野崎村の段)。
後日談

10回皆勤のかたも何人もいらしてありがたいことでした。皆勤の8割が金原関係。ん?義太夫聴きにきてくれてるー?金原さん見に来てるんじゃ?はともかく粗品をお送りしなくちゃ。

さてこの「さわり集」、毎度ながら寛也の企画なんですが、「なかなか面白いかもー」なんて思って考えて、いざ稽古に入ってびっくり~!どれも一段つとめたことある曲ばっかりなのに、なんだかノリ(リズム・テンポ)などが全然分からず、しかも次のさわりに行くときに、すぱって気持ちの切り替えできないー!これは太夫も同じで、越孝さんもものすごく苦労されました。やはり、その「さわり」までに盛り上げていくことで、体内リズムも決まってくるわけで・・・。いやはや。

そしてこれはなんと解説の水野さんにまで影響が。「はいはいサワリね、って思ってたのに、いざとなったらすごく大変だったの~」って。水野さんの説だと、いいとこ取りはつまりコースの中のメインディッシュばかり食べ続けるから、もたれちゃうんじゃないか、って。ひいひい疲れ果てた3人だったのですが、終演後皆さんに、すごく楽しかった、水野先生のお話がとっても良かった、って言っていただきほっとしました。

水野さんのお知り合いからは「聞く方は別に疲れなかったって。御馳走をあれももれも試食したみたいで楽しかった、いいとこどりのお楽しみ、その通りだった」ってご感想が来たそうでとってもうれしかったです。後ろにひっそり「義太夫はブルースだ!」の名言をはかれた、いとうせいこうさんもお見えくださっててびっくりして緊張しちゃった。

実は寛也はもうずーっと前からこの「義太夫はブルース」説を唱えてたのに誰も聞いてくれずにいたのに、いとうさんがいい始めたらみんな納得するんだもんー。やっぱり言ったことが影響力を持つような人間にならなきゃね。いとうさんは、あまりにすごすぎますが。

あ、それと質疑応答でちょっと言葉足らずになってしまいましたが、肩衣は着物の着尺(これで着物が一枚作れる。普通幅37cm・長さ12.5mくらいを1反として織り上げたもの)で3番作れます。洋服のW幅(112cm幅)の場合には、1番で鯨5尺( 鯨尺で5尺の意味:詳細Wikipedia )の生地が必要という意味でした。

★365日長いブログを書いてる友人がいて、「なんであんなに長々と世間に訴えたいことがあるんだ?」と疑問で、「短くしてよー、読むの面倒じゃん」なんて言ってたのに、今や自分が「長いよー」って言われる始末。どうしよう。それと内輪、つまり女義の師匠先輩の話のときに、敬語を使うか内輪だから使わないか。どうしよう。うーん。でも敬語使わなきゃまずいからってことではなくて、芸の先達としてものすごく尊敬してるから、やっぱり「友路の演奏は云々」なんていえない、いいたくない・・・。どうかこの辺お汲み取りくださいますよう、お願いします。ふー、我ながら長かった!