2010年02月12日(金)
朝日新聞夕刊に紀尾井人形浄瑠璃の記事掲載
Tky201002120301 2010年(平成2年)2月12日(金)
朝日新聞夕刊に紀尾井人形浄瑠璃の記事掲載。
女流義太夫、人形と共演 母の切なさ 語りに込める


【以下記事】
女流義太夫が文楽の人形遣いと共演する舞台「女流義太夫の新たな世界」が23、24の両日、東京・紀尾井小ホールで上演される。人形浄瑠璃文楽の根本は「一に大夫(語り)、二に三味線、三に人形」とされる。大夫はいわば人形浄瑠璃の統括者だ。それを女性の義太夫語りと三味線に担わせるのが眼目といえる。

出演する語りの竹本綾之助は「男性の芸に少しでも近づけるように精進している」と話す。一方、三味線の鶴澤寛也は「女性の身体を通した表現になるので、おのずから別物」という。人形が入ることは特別に意識しないようだ。「義太夫節を、ひとつながりの演奏のように聞こえるように弾くことに集中する」と寛也。

2人が演奏するのは「傾城(けいせい)阿波の鳴門・十郎兵衛住家」。綾之助は「40年ほど前、師匠とかけあいで語った思い出の作品。我が子に自分が母だと名乗れない女性の切なさ、苦しさを少しでも伝えられれば」と話す。

両日とも午後2時、午後6時半開演。ほかに「妹背山(いもせやま)婦女(おんな)庭訓(ていきん)・道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき)」など。吉田文雀、吉田和生、吉田玉女、竹本駒之助、竹本土佐恵、鶴澤駒治らも出演。6千円。電話03-3237-0061(ホール)

(米原範彦)